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会長挨拶

第11期会長として、日本保険・年金リスク学会を代表しご挨拶申し上げます。 日本保険・年金リスク学会は、保険・年金制度に内在する多様なリスクに対し、学術研究と実務の知見を架橋する場として活動を続けてきました。人口構造の変化、経済・金融環境の不確実性、制度の持続可能性といった課題は、年々複雑性を増しています。制度運営に関わるリスクは、人口動態、マクロ経済、金融市場、医療・介護、行動科学など多岐にわたり、高度な専門性が求められるとともに単一の専門領域では十分に把握できません。こうした激動の時代において、本学会が果たすべき最も重要な役割は、産官学の垣根を越えた「知の交流拠点」としての機能を一段と強化することにあります。

設立以来、研究発表大会、フォーラム、研究会などの活動を通じて議論を深めてまいりました。そして、学会誌「ジャリップ・ジャーナル」、日本アクチュアリー会との共同編集による実務ジャーナル「リスクと保険」ならびに機関誌「Bulletin」を通じ、これらの議論で得られた知見を社会に発信してきました。

さて、近年のAIの飛躍的な進展は、私たちの社会や経済にパラダイムシフトをもたらしています。保険・年金分野においても、ビッグデータを活用した商品開発や、資産運用におけるAI活用など、InsurTechやFinTechの発展が加速しています。一方で、モデルリスク、データバイアス、説明可能性(Explainability)、ガバナンス、サイバーリスクなど、新たなリスク管理の枠組みを構築すべき課題も浮き彫りになっています。特に、社会保障制度や保険引受にAIが関与する場合、透明性・公平性・説明責任をどのように担保するかは、学術界と実務界が協働して取り組むべき重要なテーマです。

また、若手および女性会員の活躍の場の形成は、本学会の未来を形づくる最重要課題と考えています。研究発表の機会拡大、共同研究の促進、研究者と実務家の交流の強化など、新しい力が自然に前へ出られる環境づくりを進めてまいります。
会員の皆様には、研究発表大会、フォーラム、研究会などに積極的に参画いただき、学会活動への一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。多様な専門性が交わることで、保険・年金制度の信頼性と社会的価値はさらに高まると確信しております。

2026年5月
日本保険・年金リスク学会 第11期会長 大塚 忠義

   
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